あらすじ・ネタバレ

◆概要
結婚を控え、臨時職員として高校の教師となった青嶋は、自分が受け持つ生徒のエリカに執着され、エリカの行き過ぎた行動に怯え、苦しみ、最終的には彼女の執着心により心を破壊される漫画である。

◆おすすめする人
・現実的なスリルを味わいたい人
・バッドエンドが好きな方
・心の闇が描かれている漫画が好きな方
・愛情と執着の違いが知りたい方

◆あらすじ
臨時職員として産休の先生の代わりに高校教師になった青嶋は、結婚が控えていた。彼女のお腹には子供がいる。彼女の両親に堂々と挨拶できるように教員採用試験に受かり、本採用されることを目標にしていた。しかし、職場の同僚に「閉野エリカ」は問題児なので気をつけたほうがいいと忠告を受ける。また、エリカの問題を解決したら、評価が上がるとも言われ、青嶋はエリカの問題を解決しようと張り切っていた。そこに、エリカ自ら、「いじめにあっている」と告白される。青嶋は、「生徒として味方になる」といったが、エリカは青島が「私を守ってくれる私のことが好きな男性」だと妄想してしまう。彼女は、青嶋に家に来てご飯を食べるように言ったり、メールを強要したり、家に押しかけたり青嶋との関係を邪魔する者は容赦なく排除する異常者だった。彼女は両親に愛情をもらえず、愛情に飢え、愛情をくれる人を勝手に作り執着するになったのである。ある日、青嶋はエリカに監禁される。やっとのことで逃げ出した青嶋は、教員をやめ、一年後引っ越して会社員となった。しかし、あの頃のエリカのことを思いだし苦しむ日々は続いた。そして、恐怖からエリカが来たと思い、誤って妻を殺してしまう。最終的に青嶋は心を壊され、精神病棟にてエリカに看病されながら、「大好きだよ、エリカ」と思うのであった。

◆おもしろポイント
平凡に頑張る青嶋がエリカという女子高生に人生を壊される様子はとても怖く面白い。特に、彼女の表情の変化は激しくより恐怖を助長させる。汚いことを除けば普通の女の子が憤怒したときの顔や青嶋以外に見せる顔は、ホラーでしかない。作者の画力も十分である。また、じわじわと青嶋を追い詰めていくので、守るべき大切な人がいる青嶋のエリカの突飛のない行動は読者を不安な気持ちにさせる。バッドエンドなので、怖いものを見たい人や少し現実的な刺激が欲しい方におすすめの作品である。